なつかしレポート 2001.3.25 PRIDE.13

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2001.3.25 さいたまスーパーアリーナ
PRIDE.13
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桜庭和志とグレイシー一族の抗争もひと段落して、さあ2001年も桜庭がこれからもPRIDEを盛り上げるぞ!という雰囲気のこの頃。話題と実力を兼ね備えた桜庭への挑戦者がなかなか見つからず、当時実力は評価されていたものの世間にはほとんど浸透していなかったヴァンダレイ・シウバとの一戦が組まれました。

雑誌やテレビ、では「桜庭が若手に対してどうやって勝つのか?」という見方でした。
僕もビクトーのパンチの嵐を逃げ切った桜庭ならシウバの打撃もかいくぐって極めてくれるだろうと思っていました。

しかし、なにか変な感じ。どうもシウバが負ける姿が想像できない。なんか違うような気がする・・・・
そう、この感じはあの時と似てる。辰吉丈一郎に初めて挑戦するウィラポンを見た時。
なんか、この挑戦者は今までと違う気がする・・・。

若干の不安を覚えつつ、当時スカパーは持っていなかったので「プロ野球ニュース(今のすぽると!)」の速報を待ちました。そして速報前のアナウンサーの話し出しは・・・

「2001年最初の大会を迎えたPRIDE.13ですが、波乱の結果となりました。」

・ビクトー・ベウフォート vs ボビー・ソースワース

ビクトーはPRIDEでは調子のいい時と悪い時の差が激しいのか、ここ一番のはずの桜庭戦やミドル級グランプリを落としてしまってます。この大会ではきっちり一本勝ち。

・ガイ・メッツァー vs イーゲン井上

メッツァーも2000年のシウバ戦あたりからかなり試合がおもしろくなってきて、このイーゲン戦もちゃんとKO勝ち。
しかし長く続けることなく引退しています。

・ヒース・ヒーリング vs ソボレフ・デニス

ヒーリングはこの頃からヘビー級で注目され始めます。今度はUFCでレスナー戦。非常に楽しみ。

・ヘンゾ・グレイシー vs ダン・ヘンダーソン

ヘンゾvsヘンダーソン。これは当時で考えるとものすごい好カード。桜庭vsグレイシーの抗争が終わった直後で、まだ「グレイシーを倒せるのは桜庭だけ」という雰囲気のあった頃です。

ヘンダーソンはPRIDEデビューのシウバ戦で負けているため、ここではヘンゾがどう勝つかという見方です。しかし結果はヘンダーソンの一撃KO勝ち。

ヘンゾのタックルに横から合わせた珍しいパンチです。佐山聡はこれを「未来のパンチ」と評していました。あれ以来このパンチでのKO勝ちは見たことがないですが、よほど高度なテクニックなのか既に攻略されているのか・・・素人からはわかりません。

・マーク・コールマン vs アラン・ゴエス

PRIDE.7でボブチャンチンが当時無敗のマーク・ケアーを失神させた、反則である「四点ポジションからのヒザ蹴り」がこのPRIDE.13から解禁されました。

僕が思うに、PRIDE側が反則としたのは「四つんばいに寝ている相手の頭を踏みつけたり蹴ったりするのは見た目が悪い」みたいな感じではないでしょうか。ボブチャンチンがやった「四点ポジションのヒザ蹴り」は肩から上をガッチリ押さえて蹴り付ける高度な技術。見ていた方もそれが反則という意識がなかった、その反則自体を重要なものと考えてなかったと思います。

結局無効試合になったわけですが、「あの状態でヒザ蹴りをすると効くのかあ」という感想を皆持ったと思います。

そしてこのPRIDE.13でコールマンがゴエスに放った四点ポジションからのヒザ蹴りは見た目にもものすごい迫力でゴエスは失神+痙攣のKO負け。目が覚めてすぐ試合が終わったことがわからずコールマンにタックルをしかけたほどです。

「やっぱりあのヒザ蹴りは恐ろしい威力なのか」と感じた一戦です。

・佐竹雅昭 vs 安田忠夫

佐竹PRIDE参戦から勝ち星は村上一成戦のみという状態。もともと好きな選手なので応援していたのですが安田に押し込まれ判定負け。

・イゴール・ボブチャンチン vs トレイ・テリグマン

PRIDEグランプリ準優勝で完全にヘビー級のNo.2としてPRIDEの顔の一人になっていたボブチャンチンがまさかの敗戦。ボクシングテクニックでテリグマンが上回っての判定負けです。

・桜庭和志 vs ヴァンダレイ・シウバ

アナウンサーが言った「波乱の結果」はヘンゾ、ボブチャンチンの敗戦のことだと願いながら見ました。

シウバの迫力のにらみ合い。今までにないタイプの相手に対して桜庭がどう出るのか?最初は打撃戦、シウバ攻めに対して桜庭も打ち返す。桜庭の右フックが当たった瞬間「ああ! やっぱり桜庭は強い!」と不安が軽くなりました。しかし・・・シウバのパンチがヒットし始め、さらに顔面に打ち込まれるヒザ、ヒザ、ヒザ。いろんな相手を倒してきた桜庭のタックルも取れない。

そしてまた打たれる。「ちょっと・・・桜庭打たれすぎでは・・・」という雰囲気になった頃シウバの「四点ポジションのヒザ蹴り」が2発打ち込まれます。「ヤバい!」と思ったところ立ち上がったシウバの顔面蹴りが入ってレフェリーストップ。

PRIDEの象徴である桜庭和志がついにワンマッチで破れた瞬間。
ここからシウバ時代のスタート、桜庭の復活ロードが始まります。