UFC 180 ヴェウドゥム vs ハント

ファブリシオ・ヴェウドゥムとマーク・ハントによるUFCヘビー級暫定王座決定戦。夢に見そうな元PRIDEファイター同士の頂上決戦が終わりました。

正規王者ケイン・ベラスケスの負傷欠場でファブリシオ相手の防衛戦の予定が変わってハントが抜擢、こないだ9月日本でのネルソン戦から2ヶ月でまさかの王座挑戦。これはもうK-1グランプリ2001の敗者復活戦から勝ち上がり優勝した時のハントを思い出します。このままドーンとトップまで行ってしまうんじゃないかと。

解説の稲垣さんが言うてたんですが、ハントは子供を学校に迎えに行く車の中でデイナ・ホワイト社長から電話が来てタイトル挑戦ということを聞き狂喜乱舞して子供と家に帰ってからすぐ準備して戦いの場メキシコに飛んだと。大会3週間前のこと。メキシコシティは標高が高いので試合でのスタミナ面が全く変わってくるということで皆早めに行って調整するそうです。相手のファブリシオは3か月前から調整してるって!ハントは気合い充分やけど体重含め調整がうまくいくかがまず大事で・・・
そして前日


体重ばっちり気合いばっちりコンディションも良さそう。最高。昔は何も知らず普通にテレビで出て来た選手に強い弱い勝手に言うてたけど、その舞台にたどり着くことベストで上がることの難しさを聞いていけばここも少し一緒に喜べます。
いよいよ当日、ほんまはメインで地元メキシコ初のUFC王者ベラスケスが登場だったのが変わって残念かもしれんけど、それまでのメキシコ人選手がさんざん盛り上げてくれ、いよいよ最高の状態でメインへ!

UFC暫定ヘビー級王座決定戦
ファブリシオ・ヴェウドゥム vs マーク・ハント

予想では誰もが思う寝技vs打撃。下からの寝技が得意なファブリシオ、パンチが得意なハント。経験と安定感ではファブリシオが勝るけどジュニオール・ドス・サントス戦でアッパー一撃KO負けの印象がまだ離れず、そしてハントはなんといっても組みに来る相手へカウンターのアッパーが最近の必殺技。ハントは組みをかわしパンチを入れる、その1点のはず。対してファブリシオがどう出て来るのかは予想つかないという感じ。

いざ始まるとハントの左フックからの右オーバーハンドが早速当たる!吹っ飛ぶファブリシオ。でも下がりながらで効いた様子はなく苦笑いで立つ。そこからはじっくり狙って打つハント、かわすファブリシオ。標高のこともあって後半バテるかもということでかハントが行く行く。組まれてもパワーで押し返す、、が引き込まれガードポジション。あのヒョードルを倒した三角絞めが来る危険な体勢。そのシーンを見て2003年のPRIDE暫定ヘビー級王座決定戦ノゲイラvsミルコを思い出しました。状況がすごくよく似てる!
ただハントはミルコと違いエルボーとパンチをいくつか入れて見事立ち上がりました。すばらしい。途中ファブリシオが奇襲で出した上段後ろ廻し蹴りが危なかったが、基本ハントがスタンドもグラウンドも有利に進めているまま、1R終了。こんな早く感じたラウンドも久々。

ハントの調子抜群!ファブリシオはどうする?という雰囲気で2R。ファブリシオは最近上段前蹴りとかキックがうまくなってきたのもあってちょくちょくキックを・・・でもカウンターの右ストレートで吹っ飛ぶ!いいよーいいよーハントいいよー。で、次はファブリシオ低空タックル。距離が遠くて簡単に見切られ抑えられる。もう手がないな、ただハントのスタミナも心配やな、ここから削り合いかなと思った瞬間またファブリシオがタックル・・ハントが反応・・・でも実はなんと飛び膝蹴り!
ファブリシオが初めて出した飛び膝は完璧にガードを下げたハントの顎に入り、そのままパウンドアウト。これはほんまに誰が予想できたか?

2R2分27秒 KO
ファブリシオ・ヴェウドゥムが暫定ヘビー級王者。正規王者ベラスケスと統一戦へ。


最高のタイミング最高の気合いで夢を見せてくれたハントの、K-1に続くビッグタイトルUFC王座戴冠は実現しませんでした。ハントが40歳にしてここまで総合格闘技、MMAに順応してトップ戦線に上がってくると誰が思ったか?選手からのリスペクトもすごいみたいです。


「飛び膝はずっと練習してきた」完全に作戦だったみたいです。これがMMA。柔術家がK-1王者にキックで勝つ時代です。ここがミルコvsノゲイラと違うところ、MMAは進化してます。ファブリシオがここまで完璧な選手になるとは誰が思ったか?今後はベラスケスとの統一戦もあるが、来年3月にベラスケスが試合できないと正規王者に昇格するそうで、防衛戦に入ることになります。過去に負けてる相手が今のUFCにもいて、ノゲイラにはリベンジしたけどアリスター・オーフレイム、アンドレイ・アルロフスキー、そして避けて通れないジュニオール・ドス・サントスがいます。またしばらくおもしろそう。

元PRIDE選手同士で、昔を思い出すような試合を思い描いてましたが、2人がやったのは間違いなく進化し続ける最新のMMAのベストマッチでした。

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