PRIDE NEVER DIE !!!

UFC 188 Velasquez vs. Werdum
June 13, 2015 Mexico City, Mexico Mexico City Arena

ジュニオール・ドス・サントスとアントニオ・シウバを倒してヘビー級最強に君臨する正規王者ケイン・ベラスケスに対して、マーク・ハントを倒して暫定王者になったファブリシオ・ヴェウドゥムによる王座統一戦をメインとしたメキシコ大会。

今回はメイン前に、重要な一戦もありました。数年前MMA団体がいくつかある中で今のUFC独走状態に入る前にあったUFCの後を追う2団体、その王者同士の対決がUFCに対抗する最大のカードと言われてました。それが当時のStrikeForce王者ギルバート・メレンデス vs Bellator王者エディ・アルバレス。PRIDEを盛り上げたメレンデスとDREAMを盛り上げたアルバレスということもあって日本のファンにも馴染み深い上にパンチ至上主義みたいな戦い方で、日本最強の青木真也にどっちも勝ってる。よく似た境遇のよく似た選手が今のUFCライト級の上を目指す戦いに挑むという形。
Gilbert Melendez 22-4-0(W-L-D)
Eddie Alvarez 25-4-0(W-L-D)
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回転力はアルバレス、当てる技術はメレンデスという感じかな?キックは同等、テイクダウンオフェンスはアルバレス、ディフェンスはメレンデス。
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予想に反してかなり見合う展開。どっちもが大砲一撃で流れ決まるとわかってるかのような。
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静かな展開に突如間合いを詰めてのアルバレスがアッパー!
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それに合わせたメレンデスの右エルボー!
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大きく仰け反るアルバレス!
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長年続いた緊張空間を切り裂くものすごい衝突の瞬間でした。
しかしアルバレスは倒れず立て直していくも1R終わりに大きく腫れた眼!どうやら左ジャブでやられていたようです。
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そこから2Rはアルバレスが応戦しつつもタックルから組んで削る展開に。倒されて逃げてを繰り返すうちにメレンデスが大きく消耗!
最終3Rにはアルバレスが回転エルボーで、メレンデス大流血!
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緊張感ある打撃戦のダメージから作戦を変えたアルバレスが2-1スプリット判定勝利。これはもうラウンドでマストシステムだから勝てたという内容でした。これは2人が連敗を避けるため勝ちを取りにいったからこその結果かも。いつかタイトル賭けての再戦も期待したいですね。
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そしてメイン。
ファブリシオはPRIDEで柔術王者として登場して期待されるもハリトーノフやノゲイラに負けて王者になれず。UFC移籍後ジュニオール・ドス・サントスに一撃KO負けて離脱。MMAヘビー級そこそこの地位で進んでいたところStrikeForceでヒョードルと戦い歴史に残る三角絞めで皇帝に初黒星をつけた・・・のにアリスターに負けて王者になれず。UFCに戻って来てからもイマイチな試合を続けなかなか期待されないまま来てノゲイラにリベンジするもまだ期待されず。なんとか連勝して暫定王座戦でマーク・ハントをKOしたのに今回もアンダードッグ。山あり谷ありでここまで来ました。
ベラスケスはノゲイラやレスナーを倒し全勝で王者になるもドス・サントスに一撃KO負けで陥落、そこから連勝で返り咲いての今日ですが、最新の試合4つがドス・サントスとアントニオ・シウバばかり。ヘビー級の層の薄さとベラスケスの怪我の多さで強いイメージ残したまま休んでいたような感じなので今回はブランクがどう影響するか。強烈で的確なパンチと無尽蔵のスタミナが、どう考えても勝ちイメージしかなく今回も当たり前のように勝利を予想される。

Cain Velasquez 13-1-0(W-L-D)
Fabricio Werdum 19-5-1(W-L-D)
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ホームということもあってベラスケスに大歓声
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身長差とリーチ差が大きそう
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速攻でお互いが出て、ファブリシオのキックに合わせたベラスケスの左でさっそく倒れましたが、ベラスケスは深追いせず。ヒョードルの二の舞って言葉が浮かびました。
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最初の一撃と前からのイメージとは違い、意外とファブリシオが互角にパンチの攻防を!
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2Rに入るとベラスケスに疲れが見えパンチをもらい始めました
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ベラスケスがだいぶやばそうなのは明らかながら不思議なもので、ヒョードルがファブリシオに三角絞めをセットされた時のように「ここからどう巻き返すのか?」という見方をしてしまいます。その時の最強に対する見方。
それを打ち砕いたのがこの膝蹴り!
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倒れながらタックルに行きなんとか2Rを凌ぐベラスケス。
まさかの展開にどよめきながらも3R。両者共にかなり疲れてると思ってたのにここに来てファブリシオがちょっとスピードアップ!いい動きを見せ始めます。なんで!
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そして打ち合いの中で一瞬やばいと思ったのかベラスケスがタックルへ・・・
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待っていたのか練習の賜物か、ファブリシオが一瞬でがっちり首を捕らえて・・・
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誰が見ても明らかな完璧なキャッチ!ベラスケスがなす術なく初のタップアウト!
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極めた瞬間に勝利を確信したかのような笑顔!
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37歳にして進化したファブリシオが経験の差もあってか、ベラスケスの勢いを消し巻き返しの完全勝利。ここまで勝てなさそうな場面を見せて勝つ人はなかなかいませんね。
ウェルター級のロビー・ローラーにライト級ハファエル・ドス・アンジョス、そしてファブリシオという流れで苦労人イメージの選手の王座戴冠が続いてます。
ヘビー級に新しい流れが始まるということで今後はどうしても過去に負けた相手との防衛戦が期待されます。筆頭はジュニオール・ドス・サントス。次いでアンドレイ・アルロフスキー。その次でアリスター・オーフレイムですね。

そういえばファブリシオはミルコ、ノゲイラ、ハントと同じあのPRIDEの残党。ヘビー級はPRIDEが最強と言われていた時代からやってきた選手です。無理矢理でもこじつけでもいいので今の間だけでもこう思いたい。「やっぱりヘビー級の最強はPRIDE!」