BEST OF THE SUPER Jr.XXIII

BEST OF THE SUPER Jr.XXIII
2016年6月7日 宮城・仙台サンプラザホール
新日本プロレスワールド

なかなか盛り上がったシリーズでした。今年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニア。
こういうリーグ戦はG1もそうですが番狂わせが楽しいのでBUSHIや外道など曲者に期待したらしっかり盛り上げてくれた一方、ライガーも若干そういう位置に来てしまったというか、勝ったらすごい的なポジション。それぐらい今の新日ジュニアのメインどころのレベルが上がってるのを実感。IWGPジュニアタッグ王座ってのができた時は「なんで?」と思いましたが、あれで選手数が圧倒的に増えて華やかなジュニアの世界が広がったように思えます。今回出れなかったけどヤングバックスから六本木バイスやタッグイメージの選手のシングル戦が新鮮でいい。特にカイル・オライリーなんて目覚めて来てヘビー級転向するらしいですね。

公式戦のひとつで大注目されたのがリコシェ vs ウィル・オスプレイ。後楽園のメインで組まれた世界トップクラスのハイフライヤー2人の試合は今まで見たことないような最高峰の空中戦。最初のマッチアップで完全に観客を掴みリコシェコールとオスプレイコールが飛び交い、アクロバティックに偏り過ぎることもなく関節技や怒り感情むき出しの打撃戦もあり見ごたえありました。

しかし最終の優勝決定戦は田口隆祐 vs ウィル・オスプレイ!田口のここ数年の尻キャラ転向はすごくいいけどある意味タイトル狙う位置から引いた感じがあっただけに意外でした。ヒップアタックを極めた田口と、かつてこの大会を優勝しタッグ戦線で活躍した田口とが合わさった、メインに相応しいスーパー田口隆祐がそこにいました。対して23歳の天才オスプレイは誰もマネできない技を連発。一進一退の攻防が熱く、ふさわしい盛り上がり。田口が場外に飛ぶ前に決めたアポロ55のパートナー、プリンス・デヴィットの構えが感動的でした。さらに最後までわからないフィニッシャーの攻防をオスプレイが制して、この大会でひとまわりふたまわり大きくなった未来の大物はすぐIWGPジュニアヘビー級王者KUSHIDAに再挑戦宣言。大阪城ホールでの挑戦が決まり、完全に獲ってしまう雰囲気。

今回の海外勢の多さと試合レベルの高さは世界トップと堂々言える内容なだけに、WWEで6月末から収録されるというクルーザー級シリーズへある意味プレッシャーになったかもしれません。すごい大会。