ずっとやってるSecond Lifeというネット上の仮想世界ですが、いろんな人と関わってきました。中のキャラクターで会いチャットで話し、現実世界でも会うようになる人もいます。
案外オタク系というより仕事としてSecond Lifeをしてる人や、バンドをしててそれを広める活動に使ってる人、いろんな服や建物なんかを作るデザイナーさんなどいろんな人と出会えます。
そんな中、どえらい奴に会ったので、その時のことを書きとめておきます。
すべて実話です。
~T登場~
僕はSecond Lifeの中でできるお笑いイベントを企画運営しています。アバターで登場してチャットでやる漫才やコントのほかに、来てくれたお客さんが自由に答える大喜利などがメインです。月3回ぐらい開催して、だいたい20~50人ぐらい来てくれます。
SecondLife(SL)内では最大のお笑いイベントグループになっていて、スタッフ10名ほど(幽霊スタッフ入れると30ぐらい)と一緒にイベントを考えます。告知をするグループもあって、そこに入ってくれてるお客さんが約100名。一年ちょいでなかなか大きくなってきてます。
それが「NSK -なんばセカンドかげつ-」です。以下NSKとします。
2008年秋、漫才とコントがメインのイベントの日でした。
夕方、イベント前準備をしていると友人のGさんが来ました。
他愛もない話をしているところに彼は現れました。
そいつを仮にTとします。
見た目はおしゃれでもなく初心者っぽくもなく、何の特徴もないキャラクターです。
そこに僕が作って安く売っている「ごっつええ感じ」のミラクルエースのコスチュームを着ています。
T:こんにちは
自分:こんにちはー。あ、ミラクルエース買ってもらってありがとうございます。
T:今日はお笑いイベントですか?
自分:そうですよ~。22時からなんで、よかったら来てくださいねー
T:出たいなあ~
自分:え?イベントに?
T:はい。お笑いが好きです。
自分:ほー
こうやって唐突に自信満々で登場する奴は少なくないです。
ただ、会話していくうちにそんな簡単にはいかんというのを察してフェードアウトしていくのがほとんど。
しかし彼は違いました。
違うというより、その空気を察する能力がないのです。
自分:今日は無理ですけど、もしネタとか作ってて、おもしろければ出演してもらえますよー
T:本当ですか!?
T:やったーーーー!
G:よかったね☆
優しいGさん。
T:かなり自信あります!
G:ははは
優しいGさん。
T:笑いの吹雪を見せるぜ!
無言のGさん。
そらそうや。吹雪やったら寒いやん。
見せるってか、起こすっていうほうがええやん。
とにかく折りがいのある鼻っ柱で登場して、勝手にグングンその鼻を伸ばしていきます。
そして晩のイベント。
「NSK 秋の漫才祭り」
2組の漫才、1組のコントです。
一日やそこらでなくちゃんと考えたネタです。
お客さんは30人ぐらいかな?
その中にTもいます。
SLでは、通常のチャットでの会話は近くにいる人にも見えますが、1対1でやりとりするIM(インスタントメッセージ)というものもあります。誰にでも送れます。
イベントで僕は出演して、ネタが全部終わり司会としてイベントのまとめに入っている時、観客席のTからIMが来ました。
~IM~
T:漫才おもしろかったです。
(まさに司会としてしゃべっている時なので無視しています)
T:出たいなあ~
T:自信あります!
ひとりブツブツ話しかけてくるTを無視してイベントのまとめ。
自分:これからも新しいネタができたらイベントでどんどん見せていきますので、よろしくお願いします。
新しい芸人も出てくるかもしれないのでお楽しみに。
~IM~
T:注目の芸人はおれやで!
彼は僕だけに特大アピールをしてきました。
イベントというのはなかなかバタバタするので、IMをガツガツ送ってくるTにかなり腹が立っていました。
どうにかこいつの傲慢な鼻を折ってやりたいと思いました。
そしてイベントが終わりお客さんは帰り、スタッフが残っている会場。
しかしTはもう芸人になった気分なので残っています。
ここでTをこらしめてやろうと、ひとつ提案をしました。
つづく