なつかしレポート K-1 WORLD GP 2002 in Paris

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2002.5.26 パリ・ベルシー体育館
K-1 WORLD GP 2002 in Paris
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K-1の歴史の中でもトップクラスの名勝負に上げられる、このパリ大会でのバンナ vs ハント。

99年にボクシングから戻ってアーツ時代を終わらせ、一躍主役に躍り出たバンナが優勝候補筆頭として参加した2001年グランプリ決勝。セフォー戦直後で注目を浴びるハントにKO負け。約半年後に地元でのリベンジ戦。

前の試合ではキックで放す戦法で追い詰められ打ち負けたので、パンチでの打ち合いは不利という予想。あの試合の後に総合ルールで安田忠夫にも負けて、バンナの強さが見られないまま決まった試合。確かこれは2,3ヶ月前に決まってた記憶がある。正直、バンナが勝つ絵が浮かばなかった。

当時は夜中に地上波で放送を見たと思う。

シリル・アビディ vs ニック・マレー

2000年の勢いを取り戻すべく前の大晦日に挑戦した総合ルールでのドン・フライ戦、圧倒されてたマウントポジションを返しパンチを打ち込んだ瞬間はかなり盛り上がった。それ以降初の試合。もともと本能で攻撃するタイプのアビディがテクニックを覚えていくのか、自分のスタイルを続けるのか・・・という時期。

アビディは吹っ切れた様子で開始からアグレッシブに攻める。相手のマレーはデビュー以来9戦9勝の強豪。マレーのパンチをもらう場面もあったがひるまず打ち返して右ストレート。完全に効いたダウンから立ち上がるマレーに振りかぶった左フックで完全KO。


レミー・ボンヤスキー vs ピーター・マイストロビッチ

セフォーからKO勝利を奪って注目される「ホースト2世」ボンヤスキー。スロースターター同士静かな展開の中、マイストロビッチが大きく放った右後ろ回し蹴りがボンヤスキーのガードの上のテンプルをとらえてダウン。少し効いた様子で立ち上がったボンヤスキーはなんとか追撃を逃げ切る。

そして後半にボンヤスキーの右ハイキックが綺麗に入り、マイストロビッチはもんどりうってダウン。完全に効いてるがなんとか立ち上がって反撃。最後はさらにもう一回右ハイキックが入り失神。ボンヤスキーの注目度がさらに上がった試合になった。


アレクセイ・イグナショフ vs ビヨン・ブレギー

ボンヤスキーの「ホースト2世」に対して言われていた「アーツ2世」イグナショフ。ゆっくり試合を組み立てるイグナショフ、ヒザ蹴り禁止のパリルールに戸惑う。解説の石井館長もイライラしている。右ミドルを中心に打ち込むイグナショフに「もっと上も蹴っていかないと」と怒る。最終ラウンドで判定も微妙、館長のイライラが最高になってきた頃にイグナショフの右ハイキック一閃!ブレギー立ち上がれずKO。

試合をゆっくり楽しんで最後はきっちり決めるというイグナショフの不気味さが感じられた試合でした。


アーネスト・ホースト vs ステファン・レコ

同じ2001年グランプリで怪我による棄権となったホーストの2002年の2戦目。前の試合では中迫剛を早い時間でKO、調子の良さがうかがえるレコ戦。入場の時からレコもノリノリで調子は良さそう。ハイスピードな技術戦になる予感で始まった1ラウンド。静かな展開の中ホーストが繰り出したパンチのコンビネーションの中の左フックがレコのアゴ先端をとらえる。完全に効いてダウン。そのままKO。

動きも速く、コンビネーションの中の一発でKOしたホーストは「今年はパワーアップしてるぞ」という印象。さらにパーフェクトに近づいたという感想でした。


ジェロム・レ・バンナ vs マーク・ハント

ついに始まるこの試合。バンナは3月に天田ヒロミを相手に左ハイキックからKO勝利。今までのパンチ主体のスタイルから武器が増えたような印象。対するハントは一躍スターになったグランプリ後初の中迫戦の右ハイキックで初のダウン。その後ミルコにもハイキックでダウンを奪われ判定負け。両者のこの年の調子は対照的。

キックの精度を上げたバンナが前の試合と同じように距離をとる・・・というのが予想。

試合が始まってすぐ、バンナは前の試合での負けなど覚えていないかのようにパンチで攻める。ハントも返すがバンナの圧力で下がる。バンナはローキックとのコンビネーションを入れてさらに攻めてパンチを当てていく。ハントもパンチで応戦してお互いクリーンヒットはないものの迫力と緊張感溢れる打ち合いで場内大歓声で1ラウンド終了。

2ラウンド開始すぐ、パンチに来たハントにカウンターでバンナの右がヒット。アゴをとらえてハントが倒れる。ダメージはなさそうながらも生涯初のパンチによるダウン。盛り上がる歓客、実況。バンナがここぞとばかりに攻め込む。なんとかガードするハント、追い詰められた様子のハントが右ストレートの返しで放った左フックがバンナのアゴに決まる。ぐらつきゆっくり崩れるバンナ。

大逆転のハント。悲鳴の観客。グランプリの再現か?打たれ弱いといわれるバンナはなんとか立ち上がるがダメージが残る。石井館長も今までのバンナを見ての意見で「熱くなったらダメ!回復を待って!」と言うがバンナは前に出る。ハントも応戦してバンナは過去のKO負け試合の時のように3発ほど連続で受ける。完全なピンチと思われたがバンナはひるまず前に出て打ち込む。効いたパンチでハントが下がる。大歓声!

ふらつきながらパンチを出すバンナ、大振りで返すハント。一進一退、2ラウンドもあとわずか。両者ガードもままならずフラフラの中バンナが放った左ハイキックでハントが後方にダウン。なんとか立ち上がったところで2ラウンド終了。

「歴史に残るラウンドです!」

三宅アナウンサーの声が響いたインターバル、まもなく3ラウンドというところでハント陣営からタオルが飛ぶ。場内大歓声、手を上げるバンナ。

94年、95年、99年に「K-1リベンジ」というシリーズがあったが、このパリ大会はまさにそういう大会になったと思います。「リベンジ」ではグランプリで負けた相手ともう一度戦うシリーズ。アンディがパトリック・スミスに、フィリォがホーストに壮絶なKoでリベンジした大会。このバンナ vs ハントは「K-1 REVENGE 2002」といえる試合でした。

底が見えたと思われたバンナがもう一段階強くなって帰ってきたと感じました。