叔父さんが突然プロレスのチケットをくれた。なんか仕事絡みで関わってるらしい。
それで、たぶん4,5年ぶりプロレス観戦に行くことになりました。しかも藤波辰爾が代表を務めるDORADITION、長州力や初代タイガーマスク、ウルティモ・ドラゴンという往年のスターが登場するとのこと。
そしてやってきました、懐かしの大阪府立体育館第2競技場。よく昔友達に連れて来てもらい全日本プロレスやFMW、IWAジャパンや女子プロを見ました。今やアメリカのレジェンドであるミック・フォーリー(当時はカクタス・ジャック)を間近で見たのもこの会場。
しかし最近のプロレス団体と選手の移り変わりの早さ・複雑化にはもうついていけてませんので、藤波さんのドラディションのこともほとんど知りませんでした。
開場前、叔父さんと会ったら突然花束を持たされました。メインイベントで選手に渡す花束だそうです。それを持ってスタッフの人に一緒に渡します。そこに叔父さんと仲の良いドン荒川選手が来られ、さらに藤波さんも来られ、何やら話し合っています。
「えーと、あ、3人おるやん。この子らに頼めば・・・」
と、関係者の人の身内っぽい若い女の子2人と、自分と一緒に来てた友達を指しました。
「え?なになに?」
と思っていると・・・
「藤波さん、長州さん、タイガーマスク、ウルティマさん、どの人がええ?」
(「ウルティマ」ではなく「ウルティモ」です。)
「へ?」
「いや、最後の試合でな、花束渡してほしいねん」
「どこで?」
「リングで」
「えええ!」
それで女性3人が選ばれたようで・・・
「じゃあ君タイガーマスクな、ほんで君が長州さんな、ほんで君はウルティマさんいこか?」(「ウルティモ」です)
なんやかんや言ううちに、友達は藤波さんに渡す役に決まりました。ほとんどプロレスを見たこともないのに突如リングに上がることになったのです。男子の憧れの、あのプロのリングに。
で、メイン前に迎えに来るということで、観戦し始めました。
ちなみに、知り合いの若手芸人さんが会場アルバイトをしていました。びっくりしました。
第1試合目は知らない人だが、動きもすごくてよかった。ドロップキックが綺麗でどよめかれていました。
第2試合目、この人が登場しました。大阪プロレス時代から好きな菊タロー(初代えべっさん)選手。そして相手は「男盛」ってリングネーム・・・って、アレクサンダー大塚やん!こんな名前、キャラになってたのか~~
こっちは充分笑わせてもらった末、男盛が勝利。11年前にPRIDE.4であのマルコ・ファスを倒した男をこの日こういう形、こういう姿で見ることになるとは・・・
3試合目もメンバーは知らないけど、スピード感あふれる4人で楽しめました。最後は綺麗なスワントーン・ボム。
セミファイナルでは、久しぶりに生で見る嵐さん、リングス以来の長井満也、初めて見る関本大介、知らないベアー福田。
あの長井さんはすっかりヒール、この日一番激しい場外戦。おなじみ府立体育館の使いにくそうなイスで攻撃していました。
そしていよいよメイン。懐かしいヒロ斎藤もいます。初代タイガーのテーマで会場沸きます。おお、青柳館長もいるじゃないか!プロレス初生観戦の時に大仁田厚と戦っていたあの館長!
友達もちゃっかりリングインして花を持って緊張しています。自分は鞄を預かり抱えながら写真撮り。
で、「パワーホール」が鳴り響いてひときわ歓声が上がります。やっぱ長州かっこええわあ~~と、周りからもそういう声が聞こえました。
そして花束を渡す大役もなんとか終えて、落ち着いて観戦。
藤波、長州、グラン浜田、ウルティモ・ドラゴン・・・
4,5年前はJsportのWWEでいつも見ていた「世界のアサイ」ことウルティモ・ドラゴンさんがそこにおります。
試合は割と短かったですが、長州のラリアットの迫力は今でも頭に残ってます。 最後は藤波さんの足四の字で決着。もうちょっと見たかったなー
メインイベント終了後、藤波さんはそのままホールの入口へ。帰るお客さん一人一人に握手しています。一緒に写真も応じてくれます。
グッズ売り場では、若手レスラーの人だけではなく、ウルティモさんや大塚さん、グラン浜田さん達が直接売ってサインもしてくれます。
これはファンにもっとサービスを、ということで非常にいいことなのかもしれんけど・・・
正直ちょっと悲しいのです。
小学生中学生の頃の僕らにとって、藤波、長州はプロレス界のトップ。初代タイガーなんて伝説。ウルティモ・ドラゴンはヒーロー。
遠い存在として認識してたし、近寄れない異世界のスーパーマンと思ってました。
嬉しいんやけど、触れ合える距離には来てほしくない。細かい話、「あんまり身長変わらんやん」とか思ってしまうのも嫌なのです。
この日、長州力は最後までグッズ売り場に現れず、最後まで”革命戦士”長州力のイメージでした。だから今でも、「下手に声かけたらボコボコにされんじゃないか」って雰囲気があります。
昔生で見たプロレスラーは、近寄れば危ない、何をされるかわからない、特に外人なんかは目がイってる、イスで殴られる、ロープで殴られる、チェーンソーで斬られる、火吹かれる・・・単なる演出じゃなく、本気でそう思わされるような存在感がありました。
そういうところから、本気でこっちも緊張感持って見るし、そういう悪役を倒すレスラーに本気の声援を送りました。
もちろんそれができる選手がどれだけいるかってことなんやけど、この日の長井満也でもかなり近寄れないオーラがありました。ああしてほしい!
ちゃっかり一緒に写真撮ってもらっておいてなんですが、やっぱりプロレスラーは「普通のおっちゃん」になってほしくない。
プロレスが緊張感と熱を取り戻して、ふたたび脚光を浴びる日は来るのかなーー??