”最恐”のチャーハン・ゴッドを完食、そして勇者は・・・

10月から続く”世界最恐”の唐辛子「ジョロキア」が入った激辛チャーハンが名物のお店「辛いもんや ギロチン」との戦いもクライマックスです。

10/15 辛いもんや ギロチン

10/29 恐怖!呪のチャーハン

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過去に「鬼」そして「呪」に挑戦してきた経験をもとに、とうとう大ボスに挑むこととなりました。

その名は「ゴッド」。デスピサロよりも強くミルドラースより残酷、エスタークを超える魔力を誇る、ジョロキアの谷 ギロチン城に潜む最強最悪のモンスターです。

挑む勇者は都島の唐辛子ハンター山崎氏。この方を中心とした7人のパーティーでいざラスボスの元に向かいました。

これは歴史的な戦いをその眼で見た一人が綴るリアルな記録です。

(2009年12月11日)

偉業ですのでパーティーのメンバーは名前で書きます。よろしいでしょ?皆様。

・・・

・・・

普段のメールと同じように返事がないので書きます。

  • 勇者:山崎さん
  • 戦士:デビッドさん
  • 僧侶:藤尾
  • 魔法使い:山田さん
  • 賢者:高野さん
  • 商人:山本さん
  • 遊び人:白井さん

知ってる人からすれば、社長重役揃いの相変わらずすごいメンツです。この危険な戦いでもしパーティーが全滅したらいろんな業界の大きな損失です。しかし我らは行かねばなりません。

ちなみにこの職業分けに対するクレームは許しません。受け付けません、ではなく、許しません。

 

まず今回のターゲットと作戦を整理します。

 

ターゲット
チャーハン「ゴッド」完食

ターゲットの特性
”世界最恐”の唐辛子ジョロキア100本入り。うま味なんてクソ喰らえ、健康なんてクソ喰らえの料理界の極悪大王。

作戦
相手の攻撃である「辛さ」の耐性をしっかり作り、舌・喉・胃を万全な状態にした後、一気に攻め込む。

これは過去の失敗から考えだされた今のところ最高の作戦です。

 

では、いよいよ戦闘開始です!

作戦の最初を具体的に言うと、「ゴッド」に入る「ジョロキア」の辛さにまず慣れるために、ジョロキアがかかった「ギロチン手羽先」で耐性を作ります。ここで心の準備をするわけです。しかしそれもいきなり食べてはいけません。徐々にスタートです。

これはピリ辛のきゅうりです。これはおいしく準備運動ができます。「これから唐辛子料理を食べますよー」と、自分の舌や内臓たちにこれで連絡をしてください。

これはピリ辛の軟骨と砂ずりを炒めたものです。非常においしくパクパク食べれます。しかし「なんだ全然だいじょうぶじゃん」とか思ってはいけません。

ここで山崎さん考案、辛さを野菜で抑える戦法です。聞くところによると、野菜を先に食べることにより胃の内側に膜ができて消化の働きを良くするそうです。きっとこれも辛さ対策に良いのでしょう。ドラクエでいうところの防御力を上げる「スカラ」みたいなものですね。

 

山田さんはさっそく「マリブミルク」の呪文を唱えます。この「ギロチン」において一番甘いとされる飲み物で、想像では甘い甘いミルク質のものが胃や喉に貼り付き辛みを和らげるすばらしい防御として機能します。敵の呪文の攻撃力を弱めるマジックバリアみたいなものです。

さあ、最初の強敵、手羽先です。パーティー内の山本さん、デビッドさんはジョロキア初遭遇です。

 

まず、ビジネス書で売上トップに立った書籍を発売されたばかりの今や売れっ子作家である山本さん、出版記念パーティーを次週に控えた大事な体ながらジョロキアを口にします。

「あー!さすがに辛いですねえ!」

 

そしてデビッドさんは何事にもパワフル、「ジョロキアなどおそるるに足らず」といった意味合いの言葉を英語なまりで口走ったのちに激辛手羽先をほうばります。素手はアカンでと言われているのに素手です。素手なら戦士じゃなくなってきますが、素手です。

「ゼーンゼン、問題アラヘン!」

おお、これは強者、期待できます。

 

そして前に一口食べて地獄を見たという高野さん、山田さん、僕もなんとか頑張って食べます。山崎さんはもうバクバクいきます。さすがです。

 

しかし、白井さんは一切口にしようとしません。

「いやいや、もう、こんなん全然、あれやから」

と、ごまかして乗り切ろうとしています。それも最初そう言っておいて食べて「アー!」じゃないのです。本当に食べません。なんという逆・不屈の精神!

 

さあ、いよいよです。

心の準備はできたでしょうか。

胃の防御はできたでしょうか。

舌はファイティングポーズとれてますでしょうか。

最愛の家族へ挨拶は済んだでしょうか。

 

今宵、勇者たちが飛びこむのはこの世の魔界、血も涙もないジョロキアの谷のギロチン城。立ちはだかるのは辛みの頂点「チャーハン・ゴッド」

 

いざ決戦です。

 

「ゴッドひとつ!」

陽気な明るいいつもの店長さんの表情は一変しました。決死の覚悟を受けとめたのでしょう。

今までこの敵に立ち向かい敗れた者たちを何人も見てきたはずです。あの悲しい結末をまた見なけらばならないのか。見届けなければならないのか。

複雑な心境のまま店長さんはエプロンをはずしトイレに行きました。

「ただのトイレです」とは言っていましたが、いやいや、泣いていたのでしょう。この数か月で仲良くなった友人であるはずの勇者たちとの悲しい別れを予測して・・・・・

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焼かれ始めたご飯と唐辛子はまさに地獄絵図、店長は丁寧に丁寧に炒めます。

 

ここで異常事態が・・・!!

「ゴホッ!!ゴホッ!!」

「ぐふっ!」

「いてててて!」

「く、くるしい!!!」

店じゅうを覆う悲鳴とうめき声。

 

そうです。悪の鉄板で焼かれたジョロキアと青唐辛子は恐ろしいまでの刺激的な空気を発し直接我らの元へ襲いかかってきたのです。

しかも我らパーティーのメンバーだけでなくほかの一般のお客さんまで!

涙目で咳きこみながら店を飛び出す男性陣。その場で泣き崩れる女性陣。

 

しかし彼らは

「まさかゴッド食べるんですか!?」

そしてその決意を感じ取ったのか、応援すると言ってくれました。

 

彼らの想いを背負った我々は、負けるわけにはいきません。

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いよいよ現れました。最悪最強のモンスター、チャーハン・ゴッド。

ジョロキアは高いということから、この一人前で1800円です。その時点で恐るべし。

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勇者・山崎さんと魔法使い・山田さんが先陣を切ります。向こうの席にもみんな座っていたのですが、まだ避難してから帰っていません。

 

食べた時の様子は、写真を使った動画形式で見てもらいましょう。

 

呆然とした勇者の顔を見ましたか?

山崎さんの舌、喉、胃、腸をかけめぐるこの世のものとは思えない地獄のチャーハン。

 

勇者に続けと、仲間たちも戦います。

 

山田さんはマリブミルク片手に必死の形相です。しかし調子が悪いのか、なかなか箸が進みません。仕方ない、前の「呪」との戦いで恐ろしさを知っています。

 

そして強者、戦士のデビッドさんは「イッタラァ!」とばかりにガツガツ行きます。

「ベ、ベツニ・・・ナーントモ・・・Ahhhhh!!」

 

山本さんは初めてながらもなんとか一口食べます。きっとあれでも相当つらいはずです。

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しかし!

見てください、この「我関せず」を貫く高野さんを。戦闘中、ラリホーもかけられていないのに寝るようなものです。完全に放棄しています。

 

そして!

あのジョロキア手羽先をごまかして食べなかった白井さんが、なんとゴッドの皿に箸を持っていきました!

ひとつぶ掴んで口に運び、

「かっら~~~~!!!!」

「辛いっすねええ!!!」

「いや~~、ゴッドはやっぱり辛いわああ!」

 

まさにおいしいとこ取り!

今までの試練を乗り越えてたどりついた僕らを差し置き、ゴッド一粒だけを食べて、後々「ゴッドを食べた」と言い張るつもりなのです!なんとずるい戦法でしょうか!

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なんやかんやで無事に食べ終わり・・・

あ、僕も結構食べましたよ。

 

 

店長にもほめられ、ほかのお客さんにも称えられ、気持ちよくお店を後にした我々。

時間も時間なので遠方の人は帰っていきました。

 

ここで、勇者山崎さんが

「山本さん久し振りやしもう一軒いきましょう」

ということで、僕と山崎さん、山本さんでもう一軒行くことに。

 

南船場から宗右衛門町まで3人で歩いて向かいました。

戦いの後のすずしい風と適度な運動がちょうど良いです。

 

楽しい話をしながら、もうすぐお店に着くよと言ったのもつかの間・・・

 

「ん・・・? ちょっと腹が・・・」

 

山崎さんが言いました。

 

「腸に降りてきたかな?」

 

ここで、前回「呪」に挑戦し倒れた時のことが頭をよぎります。

 

「ん~・・・・」

「あ・・・」

「あかんわ!」

 

「え?え?」

「大丈夫ですか?」

 

フラフラしだした山崎さん、目的地の店の前の駐車場にある、ちょっと座れるところに座りました。

 

「あ~・・・きたきたきた」

 

そうです。

前回と同じように、辛さによって血流が異常に早まり、アルコールがものすごい速さで全身にいきわたったのです。

そこからどういう感覚なのかわかりませんが、まったく動けません。

 

買ってきたペットボトルの水も、フタを開けて渡しますが、口に持っていく力が出ないと言います。握力がないのです。

 

5分前とは変わり果てた姿。

人間ごときが”ゴッド”に挑んだ罰なのかもしれません。

 

しかしまぎれもなく、一度はゴッドに打ち勝ったのです。全員で食べたとはいいながら、半分以上はこの勇者山崎氏がたいらげたのです。

最後の力を振りしぼって山崎氏は言いました。

 

「Twitterに・・・・・つぶやいてくれねえか・・・」

「あんたに・・・つぶやいてほしいんだ・・・」

 

 

「おしかったですね・・・」

「しかしようやりました。僕はもうなんも言うこたあねえです。」

「ようやりました・・・。」

 

 

 

 

 

「山崎さん・・・」

 

 

 

 

 

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