ついにヒョードルが負けてしまいました。総合格闘技デビューが日本のリングス、リングスから格闘技観戦を始めたのでデビューの時からなんとなく知って見て来ましたが、今回のファブリシオ・ヴェウドゥム戦はかなりショックな結果に。
去年からのヘビー級の期待カード、エメリヤーエンコ・ヒョードル vs アリスター・オーフレイムが今年は実現しそうな雰囲気になっていたところ、アリスターがブレット・ロジャースに圧勝してまず準備万端。さあヒョードルがあと1戦挟んで秋にとうとう激突!そういう流れが完全にできていたところで決まったファブリシオ戦。PRIDE時代にはセルゲイ・ハリトーノフ、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラに判定負け、UFCではアンドレイ・アルロフスキーに判定負け、ジュニオール・ドス・サントスにはKO負け。ヒョードルはノゲイラとアルロフスキーに勝ってるので単純なランク的にもかなり下に位置していました。
ファブリシオは寝技に関しては、今のヘビー級世界一かもしれないぐらいの実績。しかしノゲイラに圧倒してきたヒョードルなら柔術への対応も完璧、打撃で無難にKOするだろうという大半の予想。
2010年6月26日 StrikeForce
まさかの三角絞め。不思議な感覚だったのが、三角がどう見てもガッチリ形に入った状態でも、「ああ、今回はこの三角極められかけるっていうピンチがあった後に逃れてKOするっていうパターンかあ」みたいな感じで見ていました。なのでタップするまですごく落ち着いていて、タップした瞬間にその現実に驚いて信じられなくなって、夢でも見てるような気になりました。
それからというもの、ヒョードルがタップした瞬間の光景が頭にずっと残り、ふと思い出してyoutubeで見返すというのを繰り返しながら今日まで来ました。
しかし歴史を見てみると、93年UFCでホイス・グレイシーによって柔術が最強っていう流れができて総合格闘技が確立されました。そこからいろんな選手が出て競技が洗練されていって2003年以降、完成された総合格闘家としてヒョードルがトップとされ、それを止めたのが柔術家ファブリシオというのがおもしろいところです。柔術自体もかなり進化したっていうことなんでしょうか。
けどどんな物語でも、プロレスでもそうですが、圧倒的に強いボスがいてそれがいつ負けるか?というのがすごくわかりやすい構図です。ヒョードルが負けたことで、ヘビー級にそういう存在がいなくなりました。今後どうなっていくのか。アリスターとファブリシオはPRIDEで一回やってるだけにヒョードル戦ほどのワクワクがないので、ヘビー級はやっぱりUFCに注目が集まりそうです。
さて明日はついにブロック・レスナー vs シェーン・カーウィン。今後いろんな意味で重要な試合になりそうです。