The Returned

映画「ゾンビ・リミット」を見ました。WOWOW。

2013年マヌエル・カルバージョ監督、エミリー・ハンプシャー、 クリステン・ホールデン=リード他。

設定としては、1980年代とかに人間ゾンビ化事件があって主人公ケイトの両親がそれで死んでいる。後にゾンビ化を抑える薬が開発されて、そのウイルスにかかった人は薬を毎日打てばゾンビ化を抑えて普通の生活ができる。そういう人を世間では「リターンド」と呼んでいる。
主人公はリターンド専門の医師になってその研究が進んだ病院に勤める。そしてケイトの恋人アレックスがリターンド。親友カップルにそれを打ち明けるシーンが序盤にあって「一緒に頑張って支えていこう」ってええ関係で進む。
しかし世間ではリターンド保護派と、薬が切れれば襲ってくるから殺せという反リターンド派がいて、デモ活動が頻繁にある。そしてなんとなく病院じゃなく軍や警察に連れて行かれると処分される?みたいな空気。また薬の開発が続けられなくてそのうち足りなくなるという噂が流れて世界中が不安を抱えている、という雰囲気。ウイルスも怖いし政府も周りの人も信用できない、リアルには絶対行きたくない世界。

説明なく設定を理解していくって作業が最初に続くんですがこれが自然とグイグイ入ってきて引っ張られるように見てました。どのポイントでとかは気づかんかったけど、全体的に世間の不安感がよく出てるような感じです。ほんでまた「人を食う、感染する、頭を撃ったら死ぬ」とかのおなじみ設定の説明無しでいけるのが「ゾンビ」のすごいとこですね。

物語としては望んでないのにリターンドになってしまった人が薬を買いウイルスと戦い、また外では差別的な扱いを受けたり怖がられたり、薬をめぐる争いがあったり。でも基本的には皆、自分や恋人や家族を守るために仕方なくやってる。毎回「自分ならこれしてる?してない?」と問いかけたらけっこう「してる」になりそう。

ケイトにこっそり薬を売ってるイヴ役のメリーナ・マシューズって人がやたら雰囲気あって気になりました。

ネタバレになるけど最後は薬がなくなったアレックスをケイトが始末することになり、そのすぐあとに新薬が完成してそれを悔やむことに。ただ絶望的なラスト・・に一瞬見えたけどほかのリターンドで生きてる人は多く街は喜んでて、気分悪くはなかったです。世界自体は明るい方に向かうという感じで。現実として今まで医療の発達でいろんな病気を治せるようになってきたけど、裏ではこういう結果に終わった人達もいたのかも・・って考えさせられたシーンでした。

感動とかでもホラー・・?でもなくなんといっていいかわからん映画ですがおもしろかった。続編あるんかな?