クエンティン・タランティーノ作品「ヘイトフル・エイト」を見ました。

アメリカ南北戦争以降の話で、リンカーンをリーダーに奴隷解放を求めた北軍と奴隷制度存続を求めた南軍が戦争は終わってるけどいまだにいがみ合ってるような時代。黒人差別あり犯罪組織あり賞金稼ぎあり、ちょうど西部劇の時代なんでしょうか。たぶん。
登場人物は基本的に見てるこちらも素性のわからない状態で出てきて、セリフの中でどんどんわかっていきます。賞金稼ぎが2人出てきますが、賞金首を殺して運ぶ主義のマーキスと、生かしたまま連れて行って絞首刑を見届ける主義のルース。ルースが連れた賞金首の女ドメルグ。それまでは賞金首連れてるので普通に信じて見れるんですが、それ以降出て来る保安官やいろんな人は自己紹介はあくまで自称なので、基本的に「嘘かもしれない」気持ちで見ることになります。

舞台は「ミニーの紳士洋品店」という名ながらコーヒーやシチューがあってチェスしたりベッドやソファーもあって居心地良さそうな場所。入口ドアの鍵が壊れていて、さらに猛吹雪のため開いてしまうので中から木板をかまして釘を打ちつけて閉めてるんですが、外から入る人には中から誰かが「蹴り開けろ!」と叫び、蹴って入った人に「板を釘で止めろ」と指示、それも1枚では足りないので「2枚だ」これが出入りする度にあるんですが、このなんでもないはずのやりとりが妙にテンポ与えてそれぞれの人となりも見えてなぜか心地よく感じます。あと、皆が食ってるの見てたらシチュー食べたくなります。

全体的にセリフが丁寧で言い回し独特で、注意して見ようって気持ち入ります。美術担当は日本人の種田陽平という人。音楽はエンニオ・モリコーネという超ベテラン。ここも確かにものすごく空気作ってくれてます。タランティーノ作品でたまにあるチャプター分けもされていて、さらに過去さかのぼったりもして、2時間45分ぐらい?全然次の展開予想できず見入って見入って時間が進むところ「DJANGO」みたいです。

全員が自分が持つ信念に生きていて、それを守るためには物凄く残酷で冷酷で、こういう時代に生きる人の気持ちを理解しようとしても怖過ぎて無理!・・みたいな感じ。テンポよく面白くでも怖い重いストーリーでした。だいぶグロいシーンもあります。ただ、「密室ミステリー」とかって文字を全面に出した日本のキャッチコピーは全然違うように思いました。

終わってから映画に詳しいマスターのいる店Film Bar Wunderでこの話をしました。
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海外の映画が日本に来る時に売り方変わることはよくあるらしく、この映画も「密室ミステリー」なんて売り方はされてないです。マスターに聞くと日本で公開する時は監督の名前より出演者の名前で見る人が多いので人気ある人が出てたらそこメインで宣伝するけど、この映画だと・・っていうかサミュエル・L・ジャクソンでも弱いんですかね?これでタランティーノだけで押すのがきついってことかなと。自分はタランティーノで見に来たので、ようわかりません。予告映像を見比べてみました。

日本版

海外版

使うシーンとか全然違いますね。売り方変えるのはまあ仕方ないけど、今回のは違い過ぎて、それで来た人怒るんちゃう?ってレベルです。バランスよくやって欲しいところです。

自分はこれを見て、とてもいい時間を過ごせました。