19年ぶりに「電流爆破デスマッチ」を見に行きました。
去年の秋か冬頃に大仁田厚と曙が大阪で電流爆破をやるという情報を見た時、絶対行く！と決めました。それも、自分が小学生の頃始めて連れて行ってもらったプロレスが当時人気だった大仁田厚率いるFMWという団体。大阪城ホールで電流爆破デスマッチをした興行。
大阪での電流爆破はその時以来19年ぶりということで、自分の中で勝手に一緒に行くメンバーを想定。その頃プロレスを皆に教え広めてくれたクニ島田こと、しまんが皆を観戦に連れて行ってくれていたので、当時一緒に何度も行ったメンバーと行きたくて声をかけました。
そして今回は当時のFMWを懐かしむような特別な試合も組まれ、カードを見せると「この人まだやってんの？」「懐かしい！」の連続。しかし仕事も忙しく１人しか来れず、２人でリングサイド３列目を買い行くことに。
インディー団体なだけあって仕方ないが、最初のほうは迫力にかける試合、選手もいてせっかくの大阪府立がとても広く感じてしまう雰囲気。
しかし３試合目にとうとう来ました。試合タイトルは「Spirit of “F”」もちろんFMWのことです。
栗栖正伸、リッキーフジ、黒田哲広、ザ・シューター、超電戦士バトレンジャー、フライングキッド市原 組と
大矢剛功、フレディクルーガー、クリプトキーパー、ＢＡＤＢＯＹ非道、ミスモンゴル、悪行戦士ダークレンジャー 組の対決。
栗栖正伸は「クリスマスイブ」と２文字違いでお馴染み、イス攻撃の音がえげつない通称「イス大王」のおっちゃんです。FMWだけじゃなく広く活躍してた。リッキー・フジは当時のカッコイイ系のキャラでよく真似して「カミカゼ！」言うてましたが、ノリは当時のままだがおっちゃんでした。黒田哲広は昔と変わらない実力派。ザ・シューターはどうやら新山勝利らしい。いいとこまで行った惜しい選手。バトレンジャーは名前覚えてるけど印象薄い、でもまだやってるんやと驚き。市原はオーニタJr.としても出てたし見た目も当時と変わらなかった。
そしてフレディの昔と変わらない危ない入場、一時期インディーのエースだった非道はかなり細くなったね。ミスモンゴルは名前覚えてる。ダークレンジャーは知らない。クリプトキーパーはこれおそらくミスター雁之助！？懐かしい。そしてバックドロップの名手大矢はスキンヘッドに。当時ふざけて大矢に「ハゲー！」と野次を飛ばして女子レスラーに怒られたのをよく覚えてます。
元からわかってはいたが、この試合は当時を懐かしむためのもの。とてもいい試合いい動きとはいえないが、皆それぞれならではのキャラクターを見せてくれテンション上がりました。最後はFMW女子のエース工藤めぐみの登場で沸いたものの、なぜか歌いだし会場どよめき。
そこから２試合。昔ポーゴ二世と名乗りデスマッチ路線で活躍していた保坂秀樹は正統派に。総合でアリスター・オーフレイムと戦ったこともある橋本友彦はデカかった。
さあ、そして懐かしいだけじゃなく現在進行形でトップで活躍する田中将斗！FMWの若手から、後にECWやWWE、新日本のトップに食い込むとは当時思ってもみなかった。ほんまにすごい選手。大谷晋二郎とのタッグで相手はサブゥー＆レザー・フェイス！サブゥーの人気！
前にSMASH見に行った時から今の（三代目らしい）レザー・フェイスがすごくいいのを知っていたので入場から楽しみ。３人の入場が終わってレザーだけラストということで思いっきりたっぷり暴れてくれました。チェーンソーが火花出ないバージョンだったのが少し寂しかった。
田中はさすが、レザーも受けがいい、大谷はやや重い、サブゥーはちょっと衰えている？
この試合は懐かしむものではなく、長い歴史を象徴するような、昔から今まで長く出てるこのメンバーのレベルの高いものでした。
そしてメインの試合準備のため休憩。ロープを外し有刺鉄線に付け替え、バリケードマットを設置しそれぞれに爆弾を。
無事完成。ああ、素晴らしい。楽しみ。
２０年ぐらい前の大仁田厚は、プロレスでも邪道とされ馬鹿にされ、少数派のファンが応援するあくまでインディーのレスラー。その頃に横綱だった曙と大仁田が試合するなんてその時言うたらアホかと言われてたはず。
大仁田はその位置から少しずつその時の大物を狙い格上を狙いいろんな有名レスラーを自分が生みだした電流爆破に引きずり込み名前を上げ、カリスマという言葉が似合うレスラーになった。その集大成ともいえる試合・・かな？
カリスマ大仁田が電流と有刺鉄線、血にまみれた狂った空間に有名選手を上げリングに向かう、その時に鳴り響く「Wild thing」、小さな会場から大阪城ホール、川崎球場、東京ドームにまで流れたこのテーマでこの日もオーニタ・コールで盛り上がりました。
お世辞にもいい試合、いい動きとはいえない全盛期と離れた内容だったが、電流爆破のあの鼓膜に響く爆音はすごかった。漫画やゲームの世界やもんねーこんなん。
昔から、ここがメイン。大仁田劇場。
リングの周りを囲んだファンにマイクで訴えかける。当時の決めセリフは「おまえらがいる限り、おまえらがいる限り、FMWは絶対潰さん！」 マイクをたたきつけWild thing! そしてオーニタ・コール！
今日は最後に「おまえらに一言だけ言う！ありがとよ！」でした。
巻かれる水を浴びながらオーニタ・コールを連呼する、宗教のように異様だけど、やみつきになる熱い空間。それを久しぶりに体感。
細かいことはわからないし、どこまで本当でどこから嘘か知らないが、とりあえずすごい空間。
プロレスファンとしての原点に戻った特別な日でした。