トゥルーマン・ショー

久しぶりに映画を見ました。1998年「トゥルーマン・ショー」

何年も前からなにかと「映画『トゥルーマン・ショー』のような・・・」とか「まさに『トゥルーマン・ショー』といえる」みたいな感じで耳にすることが多かった映画。よく知らずなんとなくこんな話なんやろうなと思ったままで来ましたが、WOWOWでやってたので初鑑賞。

普通に生まれ普通に育って普通に保険会社で働いてると思ってる青年トゥルーマンは、実は生まれる時から24時間あらゆる場所に置かれたカメラで生活を世界に生中継されてきた男で、テレビ番組が用意した街に住み、用意された家族と住み結婚し、ほぼ台本に沿った人生を知らないまま歩まされてきた。そういう話です。

設定がおもしろく、昔からいろんな作品で表現されてきた「自分以外の世界は存在しないんじゃないか」みたいな、「自分以外の全員が演技をしているんじゃないか」とかっていう考え方をがっつり表現したひとつで、いちおう全ての流れの説明があります。番組側の予想外の動きをトゥルーマンがするとそれを阻止して流れを変えさせるようなことを起こす→車が混む、誰かが邪魔する、飛行機等は急に満席、という感じで。で、この状況に気づき始めたトゥルーマンが突然違う動きをして惑わせていく。

ただ、そういう突然の動きでボロが出るシーンってのがちょっとひどいかなと。トゥルーマンが普段入るはずのないビルにいきなり行くとバックステージみたいな場所が見えてしまう、ってのはまだわかるんですが、バスに乗ったら運転手が運転できないとか、同じ区域を通行してるエキストラが同じ服同じ動きでまわってて気づかれるとか、割と初歩的っぽいミスがあります。照明が落ちてきたり、元父親がまたここに入ってきてたり、出会った女子にこの世界のことを教えられたり。なんかスタッフ足りてないんかなって思うところが多々あります。まあこのエキストラ含めたトゥルーマンの周りの人は全員人生をほぼこれに捧げるような仕事になってるわけで、設定自体がでかすぎる規模なので現実的に考えたら仕方ないんですけど。

気になるところはあるものの、出演陣がすごいのか演技の部分は全然文句なく入り込めました。主人公以外はある種二重の演技になるんですが、奥さんメリル役の人の微妙な怪しさ胡散臭さから一転そのキャラ忘れた本気の怯え方とか。番組プロデューサーのクリストフの表情からはなんかいろいろ想像させられて、なんやったらトゥルーマンの実の父かな?って思いました。

この設定がおもしろいという入口で見始めたものの、見ていくとトゥルーマン本人、番組制作側、エキストラ陣、世界の視聴者、それぞれの気持ちが表れてその立場のこと考えたりして・・というなかなか深く見れば見るほど想像できておもしろい、そんな作品でした。