前に一度行った辛いもんや ギロチン
「今から『呪』食べに行くけど来る?」と言われ、なかなかないチャンスだと思い駆けつけました。
「呪」とは、この店の名物メニュー激辛チャーハンの辛さのランクです。
- へたれ(0倍)
- 並(1倍)
- 強(2倍)
- 死(3倍)
- 鬼(5倍)
- 呪(8倍)
- ゴッド(10倍)
こうなっていて、初回は「鬼」までしか出せないということで、「鬼」を食べたのです。
まずはウォーミングアップ、激辛手羽先を食べました。
世界一辛いと認定された「ジョロキア」という唐辛子が使われた手羽先です。前にこれを一口食べてもだえ苦しんだのですが、今回は心構えばっちり。舌休めのためサラダを頼みます。
一緒に行ったのは、山崎さん、山田さん。天六の「辛口料理ハチ」で舌を鍛え、辛いものだけでなくあらゆるグルメを網羅し、その代償に大きくなってしまった体型を戻すべく「パパイヤジュースダイエット」なるものに励み驚異的な減量で、今や関西のダイエットカリスマとなりつつあるニ大巨頭です。
「唐辛子は痩せるんやでえ」ということで、この店にもたどり着いたわけです。
そして激辛唐辛子、僕はやっぱり辛いですが、二人は「もう全然いける!」とバクバク行きました。この手羽先を食べれるということは「ジョロキア」も食べれるということになります。
では・・・
大人3人が覚悟を決めました。
山崎さん、山田さんは結婚を決めた時以来の大きな覚悟でしょう。
「呪ください!」
「はいよ!」
しばらくして・・・
店員さんが店内のお客さん達に対して
「ちょっと今から辛いの作りますので~」
と、マスクを装着。
そして、「呪」に備えて、前回も助けてもらったアレを頼みます。
「マリブミルクください」
ついに来ました。
刺さっているのは普通の鷹の爪ですが、なんとも恐ろしく見えます。
しかし、静かです。
思っていたような迫力ではありません。
恐怖も感じません。
やはり前にワンランク下といえど「鬼」を食べ、辛さレベルとしては近くまで攻略しています。そして、「鬼」に入っていない「ジョロキア」は手羽先で攻略しています。
何も怖いことはありません。
平常心ですが油断はありません。
いざ、全員食べ始めました。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「なんや・・・ちょっともう辛さ慣れてるんかな?」
「ほんまですねえ」
「さっき手羽先も食べたしね」
割とインパクトは少ないです。
「ほんで、唐辛子のせいか、カリカリっぽくなってて、チャーハンとしてうまくはないですなあ」
「もうこのへんになったら、うまいまずい関係ないんやろなあ」
気楽に話していましたら・・・
「あ~、ちょっと舌の奥が痛いですね」
「あ~・・・喉が痛いわ」
みるみる、山山コンビが汗をかきます。
僕は「空気人形」を見た映画館以来の号泣です。
「あーーー、からいからいからい」
「あかんあかんあかん」
しかし!マリブミルクまだ来てなかったのです!
残ってる梅酒の氷で舌の痛みを沈めます。やけど状態です。
やっとマリブミルクが来て、舌を休め第二弾挑戦です。もう一度皿に盛って食べました。
「あー、辛い辛い辛い」
「これは『鬼』とは段違いや」
それぞれが3盛り、4盛り食べてなんとか片付けました。
店員さんも「おお、すごいですねえ!」
向こうでは別のお客さんが誕生日のお祝いムード。ドリカムの歌と一緒に拍手でお祝いします。こっちは「呪」をクリアした達成感で満足です。
あと、気になるメニューで「ずり軟骨」というのがあったので頼みました。
鶏の軟骨と砂ずりを一緒に炒めたもので、とてもおいしいです。ちゃんと辛口の味付けはされてますが、「呪」やジョロキアに比べると全く辛くないです。
「これうまいな!」
「ちょうどいいすね!」
料理として実においしいつまみに、お酒も進みます。
僕と山田さんはマリブミルク、山崎さんはずっとハイボールです。
「ジョロキア食べた後だと何でもうまいですねえ」
「ほかの料理を引き立たせるための?」
「そうかもねえ」
うまい料理とうまい酒、最高です。
しかし、本当の「呪」はここからでした。
山崎さんが
「胃が痛い・・・」
「あら~、水飲みます?」
「早く流してしまったほうがいいんじゃないですか」
「痛い痛い痛い・・・」
「いや~、『ゴッド』はしばらくおあずけですねえ」
「ほんまほんま」
「ちょっと風に当たってくるわ」
山崎さんが席を立ちました。
ゆっくり歩いて出口の手前、お客さんの間の狭いところを通ろうと立ち止まったと思ったら・・・
「あー!大丈夫ですか!」
なんと山崎さんが膝をついてしゃがみこみました。
店員さんに抱えられてるのを見て、急いで行きました。
「大丈夫大丈夫」と言いながら力ない山崎さんを、とりあえず外に出してイスに座って水を渡しました。
いったい何があったのか?
店員さんに聞くと・・・
「辛いもの食べて、血流が速くなったところで、お酒が一気にまわったんだと思います。」
「ほ~~」
「なるほど~」
「やっぱり、こういうことがあるんで、初めてのお客さんにはここまでお出しできないんですよ」
「ひえー」
完全にグロッキーの山崎さん。
「これ、自転車で帰れますかねえ・・・」
「やばそうですね」
そう、これこそが「呪」です。
山崎さん、ゾンビみたいな歩き方してました。呪われてます。
そこにある人が
「なんや、呪食べたんか?」
なんでしょうか、西部のバイカーみたいな風貌の、40~50際ぐらいの男性です。ヒゲをたくわえ頭に布を巻いています。
店員さんが
「この方はゴッドを3回ぐらい食べられてるんですよー」
「えええ!!」
勇者がいました。
「水とか飲んだらあかんで。」
「やっぱりそうなんですか!」
「辛さに慣れへんからな」
「じゃあ水無しでゴッド食べたんですか!?」
「いや、飲む」
「どっちなんすか!」
言うてると、山崎さんが帰ってきました。
「いやいやいや、すんませんすんません!」
どえらい笑顔です。さわやかです。元気です。
血流が速いから回復も早いのか??
まさに「呪」がとけたかのような顔です。
「いやー、懲りた!もうええわ!」
山田さんは汗はかくものの、マリブミルクという助っ人のおかげか、大丈夫そうです。辛いものを食べる時、お酒の飲み過ぎは厳禁です。
また、このギロチンで「ゴッド」に挑む日は来るのか?
最後は、ダイエットのカリスマらしく
「これは明日かなり痩せてるでえ!!!」
とテンションあがりまくっていました。
その効果はこちらで近日発表されるはず!