「午前十時の映画祭9」を観に行こうと思ったきっかけであるこの映画。これをスクリーンで観れるなら行こう、どうせなら行ける映画全部行こう!ということで楽しませてもらって来ましたが、ついにこの時が。

初めて見たのはかなり前で、正直意味あんまりわからずでした。今回改めて予習しつつしっかり楽しもうと。TOHOシネマズなんば別館。最初の日曜ということもあってか、ほぼ満員に見えました。

映画公開は1975年、そして元になった実話であるニューヨークのブルックリンで起きた銀行強盗事件は1972年。この映画、主人公のソニーが銀行強盗で人質を取ってる立て籠ってる立場でありながら、警察に対して強気で行く姿勢が野次馬の観衆から英雄視されていく様子はその頃の時代背景がかなり影響してるようです。1971年にアッティカ刑務所での暴動というのがあって、そこで警察による制圧で囚人も民間人も巻き込まれて39人が死亡したということで、一般大衆からの警察への不満がかなり高まっていた時代だそうです。

オープニングではそのころのニューヨークの人が多い街の風景、道路で作業してる人達、船で作業してる人達、たむろしてる若者やホームレスらしき人達が映されていくんですが、映画にしては手ブレも多く、なんかほんまに車にでも乗って実際に街を撮ってるかのようなリアルさ。撮影に関して調べてないのでわかりませんが。このオープニングは印象的でした。

ストーリーはほとんどがニューヨーク、ブルックリンのチェース・マンハッタン銀行というところ。3人組の男が下調べしたのかしてないのか、車で前に来て強盗に入ります。リーダー格のソニー、マシンガン持って気合い入ってるサル。もう1人いるんですが自信なくなって逃げて行きます。仕方なく2人で決行したものの、銀行にはタイミング悪く現金がほとんどなかったという・・・

仲間は逃げる、すぐ警察来る、人質の銀行員に「何の計画もなしに銀行強盗してるの!?」と怒られる。何もうまく行かない絶体絶命の犯人のイライラした様子をアル・パチーノが見事に演じてます。自分で倒した椅子をまた自分で起こしたり。そして「殺しは絶対しない」と言いながら必死に警察に「死体を放り出すぞ!」と虚勢を張り、トイレに行きたいやら体調が悪いやら人質たちの声にもイライラしながら聞いてあげる良心残りまくりの姿。

この映画を象徴するシーン、銀行の前で銃を構え交渉に来る警察に対してソニーが手ぶらで武器がないことをアピールしながら警察に「銃をしまえ!撃つ気か?銃をしまえ!」と怒鳴る様子に野次馬が応援し始めます。それに反応したソニーは「アッティカ!アッティカ!思い出せ!」と、警察への不満を持つ一般大衆を煽ります。ソニーコールが起きたり、食料配達で来たピザ屋がソニーに憧れの目をしたりという変な現象。個人的には、プロレスもこういうとこあるなあと思って見てました。

なかなかほとんどが会話で進むので合わない人もいるかもしれませんが、時代背景を予習して、アル・パチーノの演技を堪能するという意味ではぜひ見るべき映画だと思います。仲間のサルは後にゴッドファーザーシリーズでまたアル・パチーノと兄弟として共演してます。

この時この時代のアメリカ人としてこの映画を見てたらどんな感情になったんやろう?ちょっとでも入り込んで見れた、映画館での上映に感謝。名作!